千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える

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住宅資金を親から援助してもらう時の注意点

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親から贈与を貰う人は3人に1人以上

どうも千日です。まずは2015年に家を買った人1,449人を対象としたアンケートで親から贈与を貰ったかという質問に対する回答です。

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あり 20.5%

なし 52.0%

無回答 27.5%

(「2015年関西圏 新築マンション契約者動向調査 リクルート住まいカンパニー調べ」 より1449人のデータを集計)

無回答が多いですけどイエスかノーかを答えている人の割合で見るとおよそ3人に1人以上の割合で親から贈与を受けている事が分かります。

そこで今日は親から贈与して貰う時の注意点について書いておこうと思います。

消費増税の延期に伴い減税も延長することが閣議決定されました

2016年8月24日の閣議決定閣議 | 首相官邸ホームページで消費税率の10パーセントへの引き上げを2年半延期することに伴い、税率の引き上げで住宅市場が冷え込むのを抑える目的で実施している住宅ローン控除の適用期間を2年半延長し、親から住宅資金の贈与を受けた人の贈与税を非課税とする措置も2年半延長し、2021年12月まで続けることとしました。

これは朗報ですね。

他のサイトで調べる際にはこの閣議決定が反映されているか、良く確認してくださいね。

積極的に利用するべき

親から住宅取得資金の贈与を受けた場合の非課税枠が拡大されています。両親から援助を受けられる方はこの減税を積極的に利用すべきだと思います。

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  • 2016年1月~2020年3月までに住宅の売買契約をして、8%の消費税の場合の非課税枠は最大1,200万円。
  • 2019年4月~2020年3月までに住宅の売買契約をした場合で住宅の引渡が2019年10月1日以降で10%の消費税の場合の非課税枠は最大3,000万円。
 
後者なら贈与だけでマンションが買えてしまう勢いです。しかし消費税が10%に増税後の引渡しとなることが条件ですので注意が必要です。

国税庁ホームページリニューアルのお知らせ|国税庁

親に経済的な余裕がある方なら、この非課税枠を十分に利用しない手はありません。両親から住宅資金の援助をもらうことで無駄な費用を減らすことができます。

  • 住宅ローンの借入金額を減らし銀行に支払う利息を減ら
  • 親から相続する際に支払う相続税を減らす

例えば、1%の金利で500万円借入が減ると35年で利息を約93万円減らせます。贈与によって浮いた金額は今後生まれてくる子どもの為に貯蓄に回すなどすべきでしょう。

 

『金を出したら口も出る』

 

この恐れがあるなら、たまに浮いたお金でご両親にちょっと豪華な食事や旅行をプレゼントすればこちらの心理的負い目を減らすことが出来ます。

そもそも、もらった金は自分のものです。気にする必要などありません。

 

言わぬが花のケースもある

しかし夫婦のうち、片方の親からだけ贈与を受ける場合は注意が必要です。それは、言わぬが花ということです。

以下はある夫婦のケースです。

 

夫婦のうち片方の親からだけ住宅資金の援助を受けた

夫の家は資産家だ。周囲は『玉の輿に乗って良かったね』なんて冗談めかして言ってくるが、それほど良いものではない。

夫は次男坊で、家業は長男の義理の兄が継ぐことになっており、生活費はサラリーマンの夫の収入だけである。

夫は経済的に余裕のある家庭で、次男の気楽さもあり、伸び伸び育ったようだ。つまりは、天真爛漫な明るさだけが取り柄だ。私はそこに惹かれたのだが、妹は『男のくせにちょっとおしゃべりだね』などと言っていた。

しかし今回ばかりは、それを思い知った次第だ。

新居を購入するにあたって、夫の両親から頭金800万円の援助を受けた。あろうことか、夫はそれをうっかり私の両親にしゃべってしまったのだ。

このときばかりは私も耳を疑った。事の発端は母が「それにしても、タワーマンションの25階なんて凄いわね!ローンの支払も大変でしょ?」なんて言ってきたことにある。

 

「いえ大丈夫っスヨ、親父がちょっと援助してくれたんで」

 

「ええ?そうなの?お父さんウチは…」

 

「んお?オオ」

 

私は一瞬唖然としたが、すぐに夫の膝をつねった。父は地方公務員だし、来年は妹の大学受験を控えている。夫の両親のようにポンとウン百万円もの金を援助できるような余裕はない。

天真爛漫でこだわりが無いのが夫の良いところではあるが、今回はそれが悪い方向に出てしまったようだ。

 

「そんなのいいのよ、お母さん、こっちの事だから、ね?」

 

「でも、ねえ?…で、幾ら援助してもらったのよ?」

 

母は大阪出身だ。こういうお金の話には遠慮というスイッチが元からついていない。

 

「だから、イイって。ほらアンタが余計な事言うから面倒なことになるでしょ」

 

「ダネダネダネ、お義母さんホント大丈夫ですよ、親父が勝手に相続税の節税のためだとか言って振り込んで来ただけですから」

 

「ひゃー!相続税?凄いわねーやっぱウチとは違うわ!ねえ?お父さん」

 

「んお?オオ」

 

さっきから父は曖昧な相槌しか打たない。父がすこしかわいそうになってきた。だしぬけに高校生の妹が部屋から出てきた。見るからに機嫌が悪そうだ。

 

「ちょっとうるさくて勉強できないじゃない。お義兄さん、言わなくていいことってのがあるのよ。絶対いくらって話になるじゃん。自分の親からしてもらったことは義理の両親に伝えないのが礼儀ってもんでしょ」

 

「んお?オオ」

 言わぬが花

こういうことは、言わぬが花だと、千日も思います。

 

親からの援助額平均は793万円

因みに、2015年に関西圏で新築マンションを購入した人に対するアンケートで、親から贈与ありと答えた人の贈与額の平均は793万円でした。

 f:id:sennich:20160625222823p:image

300万円未満 22.2%

300〜500万未満 10.4%

500〜600万未満 17.5%

600〜1,000万未満 9.4%

1,000〜1,500万未満 23.6%

1,500〜2,000万未満 10.8%

2,000万以上 6.1%

(「2015年関西圏 新築マンション契約者動向調査 リクルート住まいカンパニー調べ」 より1449人のデータを集計)

平均としては793万円でしたが、内訳を見ると1,000万〜1,500万円未満という人が最多の23.6%です。その一方で300万円未満という人も22.2%となっています。

  • 主に親の相続税対策に多額の援助を受ける人
  • 手数料相当や頭金の範囲内で援助を受ける人

こういう二極化の傾向が見受けられますね。

 

  • 2016年6月1日の消費税増税の延期により記事を追加しました。
  • 2016年6月25日に贈与の動向調査結果について大幅に加筆しました。
  • 2016年8月24日の閣議決定で消費増税延期に伴い、贈与税の減税期間が延長されたことを反映しました。

以上、千日のブログでした。

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