千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える

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消費増税の2年半の延期により贈与税の減税も延期されるポイントを分かりやすく説明します

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消費増税の増税延期に伴う減税措置の延長が閣議決定されました

どうも千日です。消費税の増税は2017年4月1日から2年半延期するという安部首相の正式表明が2016年6月1日にありました。

その後、2016年8月24日の閣議決定閣議 | 首相官邸ホームページで消費税率の10パーセントへの引き上げを2年半延期することに伴い、税率の引き上げで住宅市場が冷え込むのを抑える目的で実施している住宅ローン控除の適用期間を2年半延長し、親から住宅資金の贈与を受けた人の贈与税を非課税とする措置も2年半延長し、2021年12月まで続けることとしました。

これは朗報ですね。

親が住宅資金を援助する場合の贈与税の非課税枠の拡大は、消費税率アップに伴う住宅需要の落ち込み対策です。

ですから、消費増税が延期されたということは、贈与税の非課税枠の拡大時期はそのまま2年半スライドして延期されるというのが道理というものですが、その通りになりました。

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親からの資金援助がある人の節税モデル

親が資産家で相続税の節税が優先される場合は、あえて10%の消費税を支払いながら、贈与税の非課税枠を最大の3,000万円(耐震等住宅用家屋)まで利用するのをおすすめします。

ほぼ、親に家を買ってもらう感じですね。

特別住宅資金非課税限度額とは10%の消費税が適用されるケースの非課税枠です。つまり引き渡しは平成31年(2019年)10月1日以降にするんです。

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親の財産はあるにはあるけど、資産家とまではいかないザ・中流タイプは1,200万円(耐震等住宅用家屋)までの非課税枠を利用しつつ消費税は8%に抑えられれば御の字ですね。

住宅資金非課税限度額とは8%の消費税が適用されるケース(引き渡しを2019年9月30日までにする場合)や消費税が非課税となるケース(土地代金や業者でない個人から中古住宅を買った場合)での贈与税非課税枠です。

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ポイントを図にまとめると以下のようになります。

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親からの援助が無い人の節税モデル

親からの援助が無いという方は、シンプルです。10%の消費税増税前に引渡しを受けられるようにすれば節税できます。

増税が2年半延期されましたので、従来よりも余裕が出来ましたね。

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親からの資金援助がある人にお勧めする贈与税の非課税枠の活用

  • 親が資産家で積極的な相続税対策として資金援助する
  • 資産家とまでは行かないけど親に財産があり、出来るなら相続税を節税したい
住宅購入資金の非課税枠は契約時期で変わりますので、上手く利用する必要があります。下記の表は耐震等住宅家屋以外での贈与税の目安です。
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国税庁ホームページリニューアルのお知らせ|国税庁 

耐震等住宅家屋以外になると、非課税枠が少ないのですがそれでもそれだけの違いがあるんですよ!

 

消費増税後(10%)の引き渡しから非課税枠が大幅拡大

特別住宅資金非課税限度額が使えるのは、住宅の消費税が10%の場合です。

表にすると下図のようになります。金額は耐震等住宅用家屋以外にしています。

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  • 引渡しが2019年9月30日までなら消費税は8%なので贈与税の非課税枠は上図の青色の700万円です。
  • 引渡しが2019年10月1日以降なら消費税は10%なので贈与税の非課税枠は上図の水色の2,500万円です。
 
内装・仕様をオーダー出来るマンションについては経過措置が適用され、2019年4月1日までに契約すれば引渡しが2019年10月1日以降でも消費税は8%になります。
 
従ってこの場合は贈与税の非課税枠は700万円ですので注意が必要です。

 

約3割の人は親から贈与してもらっている

家を買う際、結構多くの人達が親から贈与してもらっていますヨ。2015年に家を買った人1449人を対象としたアンケートで親から贈与を貰ったかという質問に対する回答は以下のようになっています。

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あり 20.5%
なし 52.0%
無回答 27.5%
(「2015年関西圏 新築マンション契約者動向調査 リクルート住まいカンパニー調べ」 より1449人のデータを集計)

 

母集団は2015年に関西圏で新築マンションを購入した人達です。その年齢の分布=マンションを買った人達の年齢の分布は以下のようになっています。

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20代        14.7%
30~34歳 27.8%
35~39歳 22.5%
40代        19.0%
50歳以上 16.0%
(2015年関西圏 新築マンション契約者動向調査 リクルート住まいカンパニー調べ)

親世代の50歳以上が親から援助を受けるということはないでしょう。

若い夫婦が購入する際にはだいたい3割くらいが親から贈与を受けていると考えられますね。

 

贈与額は300万未満と1,000万超の二極化傾向

そして気になる贈与額の分布ですが、以下のようになっています。

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300万円未満             22.2%
300〜500万未満       10.4%
500〜600万未満       17.5%
600〜1,000万未満      9.4%
1,000〜1,500万未満 23.6%
1,500〜2,000万未満 10.8%
2,000万以上                6.1%
(「2015年関西圏 新築マンション契約者動向調査 リクルート住まいカンパニー調べ」 より1449人のデータを集計)

親からの贈与額の単純平均は793万円です。

しかし、内訳を見ると1,000万〜1,500万円未満という人が最多の23.6%です。続いて300万円未満という人も22.2%となっています。

  • 主に親の相続税対策に多額の援助を受ける人
  • 手数料相当や頭金の範囲内で援助を受ける人

こういう二極化の傾向が見受けられます。いずれにしても、もらえるものは遠慮なく貰っておくのが正解ですよ。

 

まとめと今後の見通し

実はこの贈与税の非課税枠の拡大に先立って、2015年1月から相続税の増税が行われていたんです。この増税の影響で相続税の節税の動きとして賃貸アパートの建設が激増しました。
 
そして素人大家さんの増加です。駅から遠い元農地にアパートを建てたりで、空き部屋の多いアパートが増えて問題になりました鎌倉投信 新井和宏氏の『あたたかい金融』の対極にあるサブリースアパートの急増と間接金融の常識 - 千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える
 
贈与税の減税は消費税の増税と引き換えです。贈与税分(相続税分)を消費税という形で早期に徴収する狙いなんです。しかし、今回は消費税そのものを延期したわけです。
 
加えて、2016年6月24日にはイギリスがEUからの離脱を国民投票で正式に決定し、リーマンショックレベルの株価下落がニュースをにぎわせていますね。景気の回復はまだ遠いようです。
  • 2016年6月1日の消費増税の延期により記事を追加しました。
  • 2015年6月24日に親からの住宅資金の贈与の実態調査結果について大幅に加筆しました。
  • 2016年8月24日の閣議決定により2年半延長された非課税措置を反映させました。

以上、千日のブログでした。

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