2018年の住宅ローン金利動向を左右するトランプ関税
どうも千日です。トランプ関税の影響で株式市場は下がり、為替市場は円買いとなりました。安全資産としての国債が買われて一時的に長期金利が下がっています。
今のように金利情勢が不安定な時には、複数の住宅ローンで審査を通しておいて、ギリギリまで引っ張っておくことをお勧めしています。
また、一部の地銀や信金の住宅ローンで行っている、「申込時と融資時の低い方の金利が適用されるサービス」を活用すれば、金利上昇リスクを銀行に押し付けることができます。
こちら私がザイオンラインで連載している記事で、Googleのニューストピックにも「住宅ローン」のキーワードで掲載されています。
もしお近くの地銀や信金でそういったサービスがあれば、利用したいですね。地域密着型で、ある程度の融通が利くのも利点です。
では始めましょう。
トランプ貿易戦争と金利の動向
トランプ大統領は3月22日に中国による知的財産権の侵害に対抗するために、中国からの輸入製品(主に鉄鋼やアルミニウム)に制裁関税をかけることを発表しました。
これに対して即座に中国外務省はトランプ大統領の決定を非難し、中国の権益を守るためにあらゆる必要な措置を取ると表明し、中国もアメリカに対して関税を準備していると発表しました。
売り言葉に買い言葉ってやつですね。
アメリカの関税は中国だけでなく、日本も対象となりました。
これに対してカナダやメキシコ、韓国、EUなどは当面、適用の除外となっていますので、他の米国の主要貿易相手とは明暗を分ける形となっています。弱腰になり過ぎたんですよ。EUはアメリカが課税方針を表明したときにすぐ対抗措置の検討を強調したからか、適用除外となっています。
今のところ株安→債券高→金利低下というセオリー通りの展開
米中という大国間の貿易摩擦への不安が広がり米国株が急落し、安全資産とされる米国債に対する需要が増大しました。
東京市場でも円高・株安が進行したため、安全資産としての国債への逃避買いが優勢になり、国債の価格が上がりました。国債価格の上昇=利回りの低下です。
ということで、3月23日の終値利回りは前日の0.035%よりも0.02%低い0.015%でした。これは昨年2017年9月15日以来の低水準です。
安全資産として国債の人気が上がったので国債価格が上がったのですね。
国債の価格が上がると何で金利が下がるのか?というのを分かりやすく解説しておきましょう。
国債価格が上がると長期金利が下がる仕組み
固定金利は長期金利に連動します。
長期金利とは一般的には「新発10年国債利回り」のことを言います。これを言い換えると国債を購入した人が得る儲けの率ということです。
つまり、投資した元本に対して投資の成果として得られる利益が年に何パーセントかという割合です。
この長期金利は国債価格と逆方向に動きます。
- 国債の価格が上昇すると長期金利は下落する。
- 国債の価格が下落すると長期金利は上昇する。
この仕組みを説明しますね。
《前提条件》
- 10年国債
- 額面金額100円
- 券面利率2.0%
国債の価格が100円の場合
券面利率は2%ですから、100円に対して毎年2円の利息が貰えます。
10年後の満期には100円の元本が返ってきます。
100円投資して毎年2円の利益ですから、運用利回りは年2%です。
国債の価格が95円の場合
額面100円の国債が95円に値下がりしている時に買えば、毎年2円の利息を貰える上に満期で額面どおり100円で償還されます。
購入価格との差額である5円が値上り(キャピタルゲイン)として手に入ります。
95円投資して毎年2.5円の利益ですから、2.5÷95で運用利回りは2.6%です。
国債の価格が105円の場合
額面100円の国債が105円に値上がりしている時に買えば、毎年2円の利息を貰えますけど、満期で返って来るのは額面の100円だけです。
購入価格との差額であるマイナス5円を値下がり(キャピタルロス)として被ることになります。
105円投資して毎年1.5円の利益ですから、1.5÷105で運用利回りは1.4%です。
債券の価格と利回りは逆方向に動く
- 価格95円の利回りは2.6%
- 価格100円の利回りは2%
- 価格105円の利回りは1.4%
価格と利回りは逆方向に動きますよね!金融ニュースで公開されている長期金利というのは、上記の方法で利回りを計算したものが公開されているのです。
国債を買う人にとっては、日本という国に対して貸すお金ですから、とても安全な投資として認識されています。
大国間の貿易摩擦と長期金利の関係
なので、アメリカと中国という大国間で貿易摩擦のリスクが高まった!というときにはみんなが心配になるので、株を売って安全な国債を購入しようとするんです。
今のところは日本の国債が買われていますが、日本もまた制裁関税の対象となっていますし、森友問題でアベノミクスにイエローシグナルがともっています。
つまり、今後は日本円(国債)が売られる要素だってあるのです。
まとめ~おすすめ住宅ローンと金利タイプの選び方
どんな人にもピッタリなおすすめの金融機関や金利タイプというものありませんが、それぞれのタイプによって、それぞれお勧めというものはあります。
金融機関と金利タイプの組み合わせは、それこそ無数にあるのですが…
- 今後こうなったら、金利が上がる(下がる)。
- 金利が上がったら、こう対応する。
こうしたプランとセットで複数の金融機関と金利タイプで審査を通しておくべきということになります。
ただ、手当たり次第にというのは頂けませんね。ある程度的を絞って複数に絞るという感じです。
おすすめ住宅ローン
冒頭でも少し触れましたが、今の不安定な金利情勢で金利の上昇リスクを銀行に背負わせるという考え方もありますね。
それ以外では…
- 金融市場の長期金利の動きを平準化してくれるフラット35。
- 日銀の政策金利によって今後しばらく低金利が維持される変動金利。
おすすめ金利タイプの選び方
こちらで各金利タイプ(ミックスローンも含む)で、どんな準備が必要か?どんな人に向いているのか?をまとめています。
変動金利であれば、すぐ上がるということはありませんけど、その後完済までの間に上がる可能性はありますよね。ならば上がったときのための準備が必要です。
固定金利であれば、今は低金利ですが、一時的に固定金利が高騰してしまうこともあります。そんなときは変動金利の方が安定しています。
民間金融機関であれば、変動金利で価格競争がありますので、特に安い金利で借りれますね。
フラット35と民間金融機関では金利が決まるプロセスが違いますので、おおきな経済事件が起こったときのためにフラット35も審査に通しておくことが保険にもなります。
以上、千日のブログでした。
《あとがき》
この2018年の金利動向を読むにあたっては以下の3つの課題に国がどう対処していくか、それに市場がどう反応する、によって変わってくると思っています。
- トランプ関税による米中貿易戦争が金利に与える影響
- 米朝首脳会談が金利に与える影響
- 森友問題による政権の動向が金利に与える影響
差し当たって、今のところ市場で材料視されているのは1.のトランプ関税ですが、契約から住宅ローンの実行までというスパンで考えるとまだまだ何が起こっても不思議ではない状態です。
住宅ローンを借りるというのは、購入する不動産の価格の元手で金融市場に参加しているのと同義です。少なくともローン実行までの間はこうした金融情勢に注目しておく必要があると思いますよ。
2018年3月24日
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