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7月以降のフラット35金利動向と日銀のイールドカーブ・コントロール政策の動向

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フラット35の金利は上昇するでしょう

どうも千日です。2017年7月のフラット35の金利予想です。住宅金融支援機構が発表した機構債の表面利率は前月(0.43%)から0.01%上昇の0.44%となりました。

つまり、来月7月のフラット35の金利は0.01%上がると予想しました。

  • 10年~20年:1.02%(6月は1.01%)
  • 21年~35年:1.10%(6月は1.09%)

これに対して結果は以下です。(2017年6月30日追記)

  • 10年~20年:1.03%(6月は1.01%)
  • 21年~35年:1.09%(6月は1.09%)

10年から20年の中期間は0.02%の上昇、21年から35の長期は横ばいという結果ですね。予想は微妙に外しましたが、多くの人が利用する長期の金利が上がらなかったのは良かったです。

それにしても、なんで上がるんでしょうかね?フラット35の金利は長期金利(国債の利回り)にほぼ連動します。そして長期金利(国債の利回り)は国債の市場価格によって決まります。

  • 国債の価格が上がると、国債の利回りが下がる。
  • 国債の価格が下がると、国債の利回りが上がる。

このように逆の動きになります。金利が上がったということは、国債の価格が下がったからなのです。ところで、国債の価格と利回り(金利)がなぜ逆方向に動くのでしょうか?

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なんで国債の価格が下がると金利(利回り)が上がるのか?

たとえば、額面100円の10年国債に額面に対して2%という金利が付いているとします。

額面100円の国債が95円に値下がりしている時に買えば、毎年2円の利息を受け取る上に10年後の満期で額面の100円が返ってきますよね。購入価格との差額である5円が値上り(キャピタルゲイン)として儲かります。つまり、95円投資して毎年2.5円の利益ですから、2.5÷95で運用利回りは2.6%です。

  • 債券価格100円なら利回り2%
  • 債券価格95円なら利回り2.6%

債券価格が下がると金利(利回り)が上がるのは、こうした理由によるものです。詳しくは金利ラボ – 千日の住宅ローン無料相談ドットコムで分かりやすく解説しています。

つまり、今は国債の価格が下がっている局面だということですね。では、この国債の価格がなぜ下がっているのか?これからどうなっていく(と言われている)のか?分かりやすくお話していこうと思います。

 

国債の価格に大きな影響を与える日銀のイールドカーブ・コントロール政策

日本銀行(略して日銀)とは日本の中央銀行です。銀行の銀行なんです。我々が借りる住宅ローンの指標になっている長期金利は今、日銀がコントロールする政策をとっているんですよ。

これをイールドカーブ・コントロール政策と言います。イールドカーブっていうのは、期間(横軸)と利率(縦軸)の関係をグラフのカーブで表したものです。

  • 長期間の金利は高く
  • 短期間の金利は低く

こうした、適切な金利だとグラフがイイ感じのカーブを描くということなんですよね。ちなみに日銀が頭に描くイールドカーブは下グラフの点線の曲線です。

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  • 短期金利は-0.1%
  • 長期(10年)の金利は0%

こんな感じになるように、国債市場に介入して国債の価格をコントロールしようとしているんです。では、日銀の政策は今どんな状況にあってこれからどうなっていくのでしょうか?

日銀の金融緩和政策は出口が見えないままに『据え置き』

日本銀行は6月16日の金融政策決定会合で、当面の金融政策を「現状維持」とすることを決めました。

  • 長期金利の操作目標は「ゼロ%程度」で据え置き。
  • 金融機関から預かるお金の一部につけるマイナス金利は年-0.1%で据え置き。
  • 国債を買い増すペースも従来通りの年約80兆円をめどに据え置き。

つまり、先ほど説明したイールドカーブ・コントロール政策を続けるということです。

日銀が2%の物価安定の目標を達成できない可能性

日本銀行は2013年1月に、「物価安定の目標」を消費者物価の前年比上昇率2%と定め、これをできるだけ早期に実現するという約束をしており、今回の会合でもその到達時期を2018年度頃、つまり来年に据え置きました。

しかし、複数の委員が「見通し期間中には2%に達しない」と主張していて、その目標達成には暗雲が立ち込めていますね。労働需給の引き締まりに比べて、物価が緩慢な理由について何人かの委員が「人々の間にデフレマインドが根強く残っており、企業が価格引き上げに動きにくい」と指摘しています。

  • 需給バランスが緩む=需要に対して供給が過剰→価格下落
  • 需給バランスが締まる=需要に対して供給が不足→価格上昇

ということです。

労働需給の引き締まりとは、人手不足になっているという意味ですから、賃金が上がる、賃金が上がれば、物価も上がるというのが自然の流れです。でも、人々の間で「将来不安だし、値段が上がったら消費は控えよう」という後ろ向きムードが強いので価格の引き上げには繋がっていないのですね。

しかしイールドカーブ・コントロール政策は継続

会合では、金融政策運営について多くの委員が現行のイールドカーブ・コントロール政策はうまく回っていて、今後も強力な金融緩和を推進していくことが適切という認識で一致しています。

長期国債の買い入れについては、長期金利を目標とするゼロ%程度に誘導するために行われていますが、国債の買い入れ額は、金融市場の状況に応じて、ある程度の幅をもって変動させることで一致したそうです。

今のところは、他に妙案が浮かばないというところなのだと思います。しかし、だからといって現状の政策を継続できるか?というとそこには疑問符が付いているようですよ。

国内総生産(GDP)を超える国債の買占めの行く末

日銀が保有する国債をはじめとした有価証券などの総資産が、2017年に初めて500兆円を突破したそうです。金融緩和政策で国債を大量に購入し続けてきたためで500兆というのは、国内総生産(GDP)に迫る規模です。

個人の家計に置き換えてみると、保有している有価証券が年収と同じ位の額になっているということです…うーん、なんかちょっと違いますかね(笑)。それにしても異常です。

日銀の営業報告によると、2017年5月末時点の総資産は500兆8008億円で、異次元緩和前の2012年度末(164兆8127億円)の3倍強に増えました。欧米では、資産規模がGDPの4割を下回る中央銀行が多く、いかに日銀の国債買占めが突出したものかが伺い知れますね。

こうしたこともあって、今後も日銀が国債を買っていくことについては、日銀の委員からも慎重意見が出ているそうです。

あんまり日銀が国債を買いすぎると、民間の需要がひっ迫してしまうということです。つまり品薄になると国債の価格だけが独り歩きして上がってしまうのですね。現時点から国債買い入れペースを縮小していかないと、来年にかけてイールドカーブ・コントロール政策の国債買い入れを続けられないかも…という心配があるのです。

 

まとめ~今後長期金利はじりじり上がる

何名かの委員が危惧しているように、国債の需給がひっ迫してくると、日銀が制御できないほどに債券の価格が上がってしまい、再び去年のような未曾有の低金利になるというシナリオも考えられます。

しかし『委員が危惧していること』というのは、当然に市場関係者も分かっていて、すでに今の金利に反映されているんですよ。すでに懸念材料として見えていることに関しては、わりと無反応なんですよね。

長期金利は、この日銀の発表後もほぼ横ばいで推移しています。

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北朝鮮問題も先送りとなったこともあり、再び長期金利は上昇し始めたということになると思います。ただ今年の初めと違うのはトランプ政権の実力が良くも悪くも見えてきていますので、前よりもゆるやかなペースになっているということでしょう。

なお、ここで書いている金利予想は、あくまで千日個人が執筆時点で公表されている情報に基づいて予想したことです。実際の金利の動きは予想と異なってい来ることは大いにあり得ることです。くれぐれも用法用量を守ってご利用くださいね。

  • 2017年6月30日に予想の結果を追記しました。

以上、千日のブログでした。

《あとがき》

ハワイ旅行から帰ってきての一発目の記事です。向こうに行っている間にハワイネタを幾つか書こうと思ってたんですが、無理でしたね(笑)。それに6月も下旬になったというのにまだ2つしか更新できていません。

たまの休みです。どうかお許しください。

それと千日の住宅ローン無料相談.comのサイト運営報告もまだ書いてませんよね。このあたりはまた箸休め的に公開したいと思います。

2017年6月22日

結構当たる民間金融機関の金利動向の読み方

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