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【金利予想】6月のフラット35の金利は上がります

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北朝鮮問題が振り出しに戻り住宅ローン金利も平常運転へ

どうも千日です。2017年6月のフラット35の金利予想です。本日5月18日に住宅金融支援機構が発表した機構債の表面利率は前月(0.4%)から0.03%上昇の0.43%となりました。

つまり、来月6月のフラット35の金利は0.03%上がると予想できます。

  • 10年~20年:1.01%(5月は0.98%)
  • 21年~35年:1.09%(5月は1.06%)

足利銀行のフラット35金利が発表されて、上記の金利になる事が分かりました。今回はピッタリ的中しましたね。

2016年5月31日追記

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6月と言えば、四半期決算月ですのでこの月に引渡しと融資実行を予定している人も多いでしょう。上がってしまうのは悪いニュースですね。ちなみに、先月の5月は北朝鮮問題が顕在化して、アメリカと北朝鮮の軍事衝突を織り込んだ市場の動きから長期金利が下がったんです。

ヤバい!戦争か!?

こういう、半ば脊髄反射的な動きだったんです。少し落ち着いてみると、いわゆる三すくみ状態になっていることが皆の目にも明らかになってきて徐々にアメリカによるシリア爆撃前の状態に戻ってきているのだと思います。

北朝鮮以外の要素はどうか?というと、景気は少しずつ上向いてきているという見方が一部で出てきているようです。

石原経済再生相は、2017年1月から3月のGDP(国内総生産)速報を踏まえ、『雇用、所得環境の改善が続く中でゆるやかな回復基調が続いている』との見方を示し、先行きについては『緩やかに回復していく』とする一方で『海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意する必要がある』と言ってます。

一応日本語なんですけど、何か大事なことを言ってるようで、中身のあることは何も言ってない感じですネ。

フラット35の金利動向は長期金利、すなわち国債の利回りにほぼ連動します。もう少し具体的に、どういうことが起こったのか?実際に6月のフラット35の金利は上がってしまうのか?について考察してみようと思います。

なお民間銀行の住宅ローン金利の動向についてはこちらをどうぞ。

 

トランプ氏が大統領になってからのフラット35金利は国が操作している

2017年の長期金利はアメリカのトランプ景気にけん引される形で上昇しました。日本の景気が上がったワケではないのですが、アメリカの景気が上がったのです。

アメリカの景気が上がると、投資家はドル建てのリスク投資にお金を投資するんですね。つまり円は売られる。円建ての安全投資である国債なんかは、特に売られるんです。

国債の価格が下がり、国債の利回り(金利)が上がるという現象が起きました。しかし、2016年12月から2017年1月にかけてフラット35の金利は逆に下がったんですよね。

ちょうどその時のことを書いた記事がこちらです。

機構債の表面利率は2016年12月0.41%から2017年1月0.48%に上昇したのですが、フラット35の金利は以下のような動きになりました。

  • 15年~20年 1.03%⇒1.02%で0.01%下がる
  • 21年~35年 1.10%⇒1.12%で0.02%上がる

普通なら機構債の表面利率が0.07%上がったわけですから、同じだけフラット35の金利も上がるはずなんですよね。

しかし、借入期間15年から20年のフラット35の金利は逆に下がり、21年から35年の長期のフラット35の金利は0.02%しか上がらなかったんです。これは明らかに恣意的な力が働いているんですよ。

今このタイミングでフラット35の金利を上げたくない。

こういう意図です。

なぜか?

この時の長期金利の上昇は、アメリカのトランプ景気に引っ張られただけのものであって、日本の景気は全然上向いていないからです。むしろ不安感の方が大きかった。

そんな時に唯一好調だった住宅関係の景気も冷え込んでしまったら、目も当てられないわけです。

なので、金利が上がっても、フラット35の金利は上げないという決断をしたんですね。

機構債の表面利率というのは、住宅金融支援機構が市場からフラット35の貸出資金を調達する金利です。

下図のようなスキームです。

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つまり、市場の金利が上がって高い金利で調達した資金を安い金利のフラット35で貸し出すということをやったわけです。損を被ったのは半民半官の組織である住宅金融支援機構ということです。

 

日銀のイールドカーブコントロール政策

この『国が市場の金利を操作する』というのは、最近になって始まった動きなんですよ。日本銀行が今採用している長短金利操作付き量的質的金融緩和政策が典型的な例ですね。

別名イールドカーブコントロール政策というものです。

日銀が市場に介入して、10年国債利回りを0%で安定させるというものです。

  • 短期金利については民間の金融機関が日銀に預けている当座預金の一部に-0.1%のマイナス金利を適用し続ける。
  • 長期金利については10年物国債金利がおおむね0%で推移するように長期国債の買入れをする。
  • 長短金利操作のために日本銀行が指定する利回りによる国債の買い入れ(指値オペ)をする。
  • 民間金融機関に低利の固定金利で資金を貸し出す期間を従来の1年から10年に延長する。

太字の部分が、特に長期金利を操作するための施策です。

今まで、国債金利が上がりそうになると日銀が即座に国債の買い入れを行い、長期金利の上昇を抑えてきました。

年度当初はトランプ相場というものが「期待先行」という側面が強く、本調子で上がろうとしているわけではなかったですし、最近は何となく頭打ち感が出てきてましたのでこの政策は今のところは、ちゃんと機能しているんだと思います。

 

北朝鮮問題が顕在化してからのフラット35の金利動向はどうなる?

上がろうとする長期金利を日銀が抑えこむという状況が続いている中で、そのうち本調子で景気が上がっていくんじゃないの?なんて市場関係者がつぶやき出したところで発生したのが北朝鮮問題です。

2017年4月6日にアメリカがシリアへの空爆を開始したんです。トランプ氏が攻撃開始命令を出したのは、フロリダ州の別荘に中国の習近平国家主席を招いてのパーティーの最後。

これが北朝鮮であっても同じことだ。

習近平氏への間接的な恫喝であると、報道されました。

アメリカは中国が北朝鮮を抑えにかかるはずだと見越して北朝鮮に強硬な姿勢を示し、中国の圧力を引き出して、北朝鮮のミサイル開発をやめさせようとしたんです。

これで長期金利が下がり、5月のフラット35の金利が下がったのは、冒頭に書いたとおりです。

しかし、時間が経つにつれて、誰も戦争なんて望んていないということが明らかになってきたのです。

韓国の大統領選では北朝鮮に融和的な姿勢を示している文氏が当選し、5月10日に正式に大統領に就任しました。その後の14日にそれに冷や水を差すかのように北朝鮮がミサイル実験を(今度は)成功させたものの、アメリカ、中国、韓国、日本はこれを非難する声明を発表したに過ぎません。

つまり、北朝鮮問題に関しては『今までと同じ』状態になってきているんです。

ただし、北朝鮮が大陸間弾道ミサイルの開発に成功していないからという条件付きであり、それは時間の問題なのですが、それは今すぐにどうということは無さそうだという見方に変わってきているのですね。

アメリカ空母のカールビンソンは6月ごろまで日本海海域にとどまる見通しであるそうです。『6月ごろ』までに何があるかは分かりませんが、こういう話が出てくるということは、収束を視野に入れているということに他ならないでしょう。

長期金利はこうしたムードを察知して、北朝鮮問題前の状態にシフトしてきているんですね。

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長期金利推移グラフ | 日本相互証券株式会社

長期金利の推移を見ると、文氏の大統領当選で大きく上がり、14日の北朝鮮によるミサイル実験で少し下がったとはいえ、上昇したままの水準で推移しているんです。

ですから、フラット35の金利が発表される6月1日までの間に、ミサイル実験を上回るほどの、よほどのことが起こらない限りは下がることは無さそうですよね。

かといって、更に上がっていくか?というとそれほど楽観視できる状況でもないといった状況です。

 

6月は機構債の上昇がそのままフラット35の金利上昇となる可能性が高い

最近は報道が減りましたが、未だに緊張は維持されている状態です。予想外の事件の発生によってヒステリックに市場が反応する可能性は否定できませんが、徐々に平常運転に戻ろうとしているのが、現在の状況だと思います。

だとすると、6月のフラット35の金利は機構債の上昇(+0.03%)をそのまま反映して上昇する可能性が高いと考えられます。

5月と6月、どちらも実行日を選べる状況にある方であれば、5月の実行にしておくことをお勧めします。

こういうことがあるので、融資の実行は月末近くにしておいた方が良いんですよね。機構債の表面利率の発表と、千日のブログを読んで安い方の金利でフラット35を借りることが出来ます。

詳しくはこちらをどうぞ。

なお、ここで書いている金利予想は、あくまで千日個人が執筆時点で公表されている情報に基づいて予想したことです。

実際の金利の動きは予想と異なってい来ることは大いにあり得ることです。くれぐれも用法用量を守ってご利用くださいね。

以上、千日のブログでした。

《あとがき》

何となく上がりそうな予感はあったのですが、0.01%位の微増かな…なんて思っていました。0.03%というのは予想を若干上回る結果でしたが、これはあくまで機構債を購入する機関投資家にどれだけの利回りであれば売れるか?という視点で決められることなんですよね。

世間の感覚とは必ずしも一致しないところで決定される。それも金融市場というものなんです。

そういう意味では、住宅ローンを借りるということは借り手として金融市場に参加することでもあるんです。

もう一つのサイト、千日の住宅ローン無料相談ドットコムでは毎日寄せられる様々な人の相談に無料で答え、その内容を記事にしています。

あわせて読んでみてください。

2017年5月18日

引渡しの延期交渉の実態

 

結構当たる民間金融機関の金利動向の読み方

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