上げた三菱UFJ銀行と三井住友銀行は1.05%据え置きの三井住友信託とりそな銀行借換専用は0.55%と倍近い差が出ています
どうも千日です。住宅ローン金利に驚きのニュースです、三菱UFJ銀行と三井住友銀行はかねてから千日のブログで上がると予想していました。
上がるとは思っていましたが、ここまで上がるとは…2017年3月の0.55%から0.5%上昇の1.05%です。
ほぼ倍です。
これに対して三井住友信託銀行10年固定は0.55%で据え置きだそうです。そして千日が上がると予想したりそな銀行の借換専用10年固定も0.55%で据え置き。並べてみるとその差は歴然ですよね。(カッコ内は3月金利)
- 三菱UFJ 1.05%(0.55%)
- 三井住友銀行1.05%(0.8%)
- 三井住友信託 0.55%(0.55%)
- りそな銀行借換専用0.55%(0.55%)
主要銀行の同じ10年固定で、これだけ差がつくのは珍しいです。
では、それぞれの動きについて振り返ってみましょうか。
三菱UFJ銀行と三井住友銀行の10年固定は1.05%に引き上げ
- 1月から2月にかけて金利を下げた銀行については、3月決算の建物完成による住宅ローン実行のかき入れ時を狙った「バーゲン価格」である。
- 従って、4月になれば目的を達成し、再び住宅ローンをもとの水準に上げる。
おおまかには、このような予測をしたのです。ただもとの水準とは言い難い上がり方ですよね。これは日銀のマイナス金利政策が導入された、去年の2月以来、1年2カ月ぶりの高い水準だそうです。
つまり、もとの水準以上に上げてきたということですね。
住宅ローンの利下げ競争から降りた?
長期金利が上昇傾向にある。
おそらく、銀行の担当者はこのように説明しているのだと思います。
確かに3月31日に長期金利が2週間ぶりに0.07%に上がったとはいえ、依然として日銀の長期金利抑制政策が続いていますので、今後長期金利が上がる見込みだからというのはすこし違うような気がします。
何といっても「倍」ですからね。
たったひと月でこれだけドラスティックな金利の変更をするのは、利用者の不信感を煽ります。今後の住宅ローン営業に影を落とすでしょう。
もちろん、そんなことは彼らも分かっています。
つまり、今後しばらくは住宅ローンを取る気が無い、ということかなと思いますね。もともと金利が安すぎて儲けが少ないのです。
変動金利ならば低い金利でも上げたいときに上げられますが、10年固定は10年間上げることが出来ないのです。
三井住友信託銀行とりそな銀行借換ローンは0.55%を維持
三井住友信託銀行の10年固定とりそな銀行借換ローンは4月も0.55%を維持ですね。りそな銀行のホームページはまだ更新されていませんが、据え置きというのは読者様からの情報です。
ライバルだった三菱UFJ銀行がこれだけ上がるということであれば、もう少し上げても十分に利用者を獲得できるので、少し上げてくるだろう。
千日は、このように予測していたのです。基本的に今の低金利は銀行の利益を圧迫していますので、金利を上げられる大義名分があれば上げてくるのが普通です。
三菱UFJと三井住友の両行は、大義名分は無くても上げてますよね。なのに以下のような激安金利を維持しています。
- 三井住友信託銀行は新規借入と借換ともに0.55%、その後店頭表示金利から▲1.4%
- りそな銀行は借換に特化して0.55%、その後店頭表示金利から▲1.906%
両者を比較すると、りそな銀行の方が10年後の金利優遇幅が大きいですよね。ですから
- 新規借入ならば三井住友信託銀行
- 借換ならばりそな銀行
このようにちゃんと棲み分けが出来ていると言えます。
りそな銀行の借換ローンは超オトクです
これは言い訳ですけど、りそな銀行の借換ローンは3月までの期間限定だろうと予測していました。ので、前の記事でサラッと「キャンペーンが終わるから上がるでしょう」という予想をしました。
このように千日が思ったのはりそな銀行の借換ローン10年固定金利がお得過ぎるからなんです。
そのポイントは10年経過した後にあります。
- 当初固定金利終了後の残り期間の最大優遇幅は1.906%
これって、今の店頭金利から計算するとどうなるか計算したことありますか?今の変動の店頭金利は2.475%です。
ということは、2.475%ー1.906%=0.569%ですよ。
よく、言われるのが
10年固定は10年経ったら優遇幅が減るので、繰上げ返済しないと損。
というものです。
ちなみに都銀の代表として三井住友銀行の変動金利の最大優遇幅は1.85%ですから、2.475%ー1.85%=0.625%です。
どうです?
つまり、固定期間が終わってしまっても、優遇幅は今の変動金利より有利なんですよ。10年固定の弱点が、ほぼ無いというすごい商品なんです。
なので、こんな商品が長く続く訳が無い、と思っちゃったんですよね。あはは。
フラット35の超長期金利はなぜ据え置きか?
千日の予測では下がるか横ばいというものでしたね。タイトルは下がって欲しいという希望からです。
機構債が前月の0.47%から0.01%マイナスの0.46%に下がりましたので。下がる可能性が高いかと思ったのですが、横ばいとなりました。(カッコ)内は3月の金利です。
- 15年から20年 1.01%(1.01%)
- 21年から35 年1.12%(1.12%)
フラット35の金利は以下の計算式で決まります。
フラット35金利=機構債の表面利率+住宅金融支援機構のコストと取扱金融機関の利益率
なので、機構債の表面利率が発表された時点でほぼほぼ決まっているようなものなんですね。
つまり、機構債を売った代金がフラット35の貸付の資金になりますので、機構債の金利がフラット35の金利に直接反映するということです。
では、なぜ機構債の金利が下がったのにフラット35の金利が下がらなかったか?
去年のマイナス金利政策から、大きな事件が起こるたびに金利が下がってきたのですが、表面金利にプラスとなる利益率も下げてきているんですよね。
これまでのフラット35の金利推移を見てみましょう。
2016年のフラット35金利推移
- 5月1.08%=4月表面0.34%+利益0.74%
- 6月1.10%=5月表面0.36%+利益0.74%
- 英国のEU離脱
- 7月0.93%=6月表面0.23%+利益0.70%
- 8月0.90%=7月表面0.19%+利益0.71%
- 9月1.02%=8月表面0.33%+利益0.69%
- 10月1.06%=9月表面0.37%+利益0.69%
- 11月1.03%=10月表面0.34%+利益0.69%
- 12月1.10%=11月表面0.41%+利益0.69%
- トランプ氏大統領当選
2017年のフラット35金利推移
- 1月1.12%=12月表面0.48%+利益0.64%
- 2月1.10%=1月表面0.46%+利益0.64%
- 3月1.12%=2月表面0.47%+利益0.65%
- 4月1.12%=3月表面0.46%+利益0.66%
千日が記録を取っている最も古い2016年5月の時の利益率は0.74%でした。それから英国のEU離脱があり、トランプ大統領の当選がありで2017年の初頭には0.64%にまで下がったんです。
今は少しずつそれを元の水準に戻していこうとしているのではないかと思います。でないと職員の給料や経費が払えませんからね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。千日のブログでは、こんな感じで入手可能な情報に基づいて翌月の金利動向を予測しています。
でもって、こんな感じで答え合わせをしています。
今のところは、まあまあの的中率です。
ただ、金利というのは本当にその時にならなければ決まらない部分もあり、千日の予測と実際の金利の動きが異なってくることも大いにあり得ます。
翌月ならば、ある程度の精度で予測が可能な世界ではあると思います。金融って何となくとっつきにくいイメージがありますが、しょせんは同じ人間がやっていることですからね。
- 2018年4月1日に三菱東京UFJ銀行が三菱UFJ銀行に行名を変更したのに伴い行名を更新しました。
以上、千日のブログでした。
《あとがき》
千日のブログでは、マイホームの購入や住宅ローンの組み方について、最新の情報に基づいて分かりやすく解説しています。
もう一つのサイト、千日の住宅ローン無料相談ドットコムでは毎日寄せられる様々な人の相談に無料で答え、その内容を記事にしています。
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