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ソニー銀行の金利タイプ変更手数料の仕組みと裏技の全てを分かりやすく解説します

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ソニー銀行の住宅ローンは借入後にいつでも金利タイプを変更できる

どうも千日です。ソニー銀行の住宅ローンはいつでも金利タイプを変更できますね。

  • 変動⇒固定:無料で24時間いつでも変更可能。
  • 固定⇒変動や異なるタイプの固定:固定金利適用期間中は所定の変更手数料がかかることがあるが24時間いつでも変更可能。

変動から固定は問題ないですね。問題は固定から変動や異なるタイプの固定に変更する場合です。

所定の変更手数料がかかることがあるのですが、場合によっては無料になります。

計算方法はHPで公表されてますが、これ普通の人は読んでもピンと来ないんですよね。そこで千日が研究し、重要な部分はソニー銀行に電話で聞いて、ほぼ全てを明らかにしました。

ソニー銀行の金利タイプ変更手数料のマニュアルとしては、どのサイトよりも詳しく、理解しやすい内容にしたいと思います。

では始めます。

目次

固定金利から金利タイプを変更⇒ソニー銀行が損をする変更の場合はその分払ってもらいます

これがポイントですよね。結局どういうことなの?というところからご説明していきましょう。まず、全体の主旨を捉えます。

タイトルのとおりです。

当初借りた時よりも、市場の長期金利が下がって今の長期金利の方が安いな…という場合がありますよね。

そういう時こそ、金利タイプを変更して利息の負担を減らしたいですよね。しかし、それを無料でやられると、銀行が利息を取りはぐれてしまいます。

そこで、

金利タイプの変更によって当初の金利よりも安くなる場合は、安くなる分は一時に清算してくださいね。

というのが、固定金利からの金利タイプ変更手数料の主旨です。

前提条件

  • 当初の10年固定金利3%(市場レートは1.6%)
  • 2年後の10年固定金利2.8%(市場レートは1.2%)

10年固定金利が安くなったのは市場レートが下がったのを反映したものです。そこで元々3%で借りていたんですけど、今の2.8%に変更しようと思ったら、下記の図のようになります。 

f:id:sennich:20170108160407p:image

住宅ローンの金利差ではなく、市場レートの金利差で下がった分の利息0.4%を残り期間8年にわたって清算するという考え方ですね。

ですから逆に、金利タイプを変更することで、払う利息が高くなる場合は、

金利タイプの変更によって当初の金利より高くなるので、ありがとうございます。金利タイプの変更手数料は無料です。

f:id:sennich:20170108160510p:image

こういうことです。普通こんなことする人は居ませんよね。

ですから、結局のところ普通にやってる分には別にメリットは無いんですよね…本当にそうでしょうか?

普通の銀行であれば変動から固定に変えるには手数料という一定の費用がかかるんですよ。また、変動から固定への変更はイチから契約のまき直しになりますので、得しようが損しようが、他行への借換と同じだけ費用がかかります。

ソニー銀行は変動から固定に変えるのは無料です。

また、固定から変動や固定から固定に変えるのには上記の手数料がかかりますけど、一定の割引が行われます。この割引とは「割引現在価値」(DCF)と言われるものです。

これについて、説明しましょう。

 

差額の利息は割引現在価値に引き直されるので実払いよりも少なくなる

差額の利息を清算するので、結局プラマイゼロだと思いがちですが、そうではありません。残りの当初固定期間の各月の利息の差額を現在価値に割り引く(DCF法)ということをします。

DCF法とは、将来入る(又は出ていく)お金をもし現在受け取れたとしたら、どの程度の価値があるかを計算する方法です。この方法によって将来の収入や支出を現在の価値に引き直したものを割引現在価値と言います。

例えば今100万円貰えるというのと、10年後100万円貰えるというのとでは、同じではありませんよね?後者の方が価値が低いです。それを同じ時間軸にもってきたら幾らになるかという考え方です。

具体的にやってみましょう。

ケーススタディ

前半の例と同じで、さらに具体的な借入元本を設定します。

 f:id:sennich:20170108162138p:image

当初の借入は3千万円で10年固定金利3%、35年の元利均等返済ボーナス払い無しで借りました。

2年後の今の残高は2千9百万円です。市場金利が下がって同じソニー銀行でも10年固定金利が2.8%に下がったので、10年の当初固定期間の途中ですけど、同じ10年固定に金利タイプを変更しようとしています。

下がった0.4%残り8年間の利息を計算する

当初3%から銀行が取れなくなる分がありますね。これは、市場レートで比較します。ホームページではベースレートと呼んでいます。

1.6%から1.2%に下がっているので0.4%です。この分の金利差だけ残り8年間(96カ月)銀行の収入が減ってしまうということでしたね。

グラフにすると下記のようになります。

 f:id:sennich:20170108162953p:image

  • 当初の利率3%で約束されていたソニー銀行の利息合計は642万円
  • 金利タイプ変更で2.6%に下がったソニー銀行の利息合計は552万円

ということで利息の差額は90万円になりますね。つまり、このタイミングで金利タイプを変更されてしまうと、ソニー銀行は90万円損をするという意味です。

ただ、これは8年間に渡って少しずつ積み上げた結果の合計です。1か月後と8年後では現在の価値にしたときに価値が違うと考えるんですね。

 

割引現在価値の計算方法

例えば年利2.6%の利子がつく銀行に1万円を預けたとします。そうすると1年後には利子260円がついて、合計1万260円になりますよね。

この場合の1万円が現在価値、1万260円が将来価値です。

つまり、1年後の1万260円の割引現在価値は1万円ということになります。

計算方法は、10,260÷1.026=10,000円となります。

このケースでさらにもう1年間(合計2年間)銀行に預けたら?

2年後には10,000×1.026×1.026=10,526円76銭です。

つまり、2年後の10,526円76銭の割引現在価値は1万円ということになります。

計算方法は、10,526.76÷1.026÷1.026=10,000円ですね。

この考え方で、毎月の利息差額を現在価値に計算していくのです。このときに使う割引率は当初の固定金利-市場レートの差で計算します。

つまり2.6%=3%-0.4%です。

グラフにするとこんな感じになります。

f:id:sennich:20170108164512p:image

  • オレンジの棒グラフが、割引前の将来価値で90万円です。
  • ブルーの棒グラフが、割引後の現在価値で89万円です。

つまり約1万円割引されているということになりますね。ソニー銀行の計算では、割引後の現在価値である89万4千767円がこのケースの金利タイプ変更手数料ということになります。

金利タイプ変更手数料のポイント~一般的なセオリーとは違います

いかがでしたでしょうか。ソニー銀行で住宅ローンを借りると、借換もインターネットで行います。この金利タイプ変更手数料は自動計算で、その結果幾らになるかは随時照会することが出来ます。

しかし、分かるのは結果の手数料だけです。

内側でどんな計算になっているか、計算の要素になった市場レート(ベースレート)やその計算過程は見せてもらえません。

いったんまとめてみましょう。

  1. 市場レート(ソニー銀行では「ベースレート」と呼ぶ)の差
  2. 残り年数
  3. 借入残高
  4. 割引率(当初の固定金利-市場レートの差)

上記の1から3が金利タイプの変更手数料を決める主な要素ですね。

まず市場レートが上がっているか下がっているか?

市場レートが当初借入時より上がっていれば無料になります。下がっていれば有料です。ちなみにソニー銀行ではこれを「ベースレート」と呼んでいて、具体的に公表していません。

独自のレートです。ただ、銀行本人は市場レートに連動していると言っている、そんなレートです。

ソニー銀行ではインターネットで金利タイプを変更しますので、手数料の結果だけが出てきます。ただ、市場のレートとあまりに大幅なかい離は無いと思われます。

市場レートの下がり幅が大きいほど手数料も高くなる

まず、利息の清算額を計算するときの利率になりますので、この市場レートが当初借入時よりも大きく下がっているほど、手数料の金額は高くなります。

つまり、低金利になって金利タイプを固定から変更した方が得だと思うような状況ほど、金利タイプの変更手数料は高くなります。

残りの固定年数が長いほど手数料も高くなる

残った年数が長いということは、それだけ金利タイプの変更で払う利息が減る期間が長いということですね。

ということは、その分手数料が高くなるということです。

借入残高が多いほど手数料も高くなる

市場レートの差に借入残高を乗じて手数料を計算します。ですから、借入残高が多いということは、その分手数料が高くなるということです。

割引率で中和される

これまでの要素で高くなってしまっても、それを割引現在価値にするときにはこれが逆転します。これまでが、掛け算であったのに対して割引現在価値の計算は割り算になるからです。

一般的なセオリーでは、金利が下がっているほど借換が得です。残り期間が長いほど借換が得です。借入残高が多いほど借換が得になります。

ソニー銀行の金利タイプ変更手数料の計算はこれを打ち消し、相殺してしまうような計算の仕組みになっているんですね。

いつでも自由に金利タイプを変更できます。

こうして見ると、

何て皮肉なんでしょう。

と、思ってしまいますねアハハ。

確かにいつでも変更できますが、変更によるメリットの大部分が変更手数料として取られてしまうということです。

しかし、それでも良い点があるんです。

  • 市場レートが下がってなければいつでも無料で変更できる。

ここがポイントです。これを利用した裏技をご紹介しましょう。

 

「裏技」変動⇒固定⇒変動で常に最優遇金利を維持する方法

変動金利の優遇幅が自分が借りた時より増えることってありますよね。何とか最新の優遇幅を適用してもらいたいものです。しかし、変動から変動という変更は出来ない仕様になっています。

そこで、変動から固定に変更し(無料)固定から変動に変更する(有料?)んです。

固定から変動は手数料がかかる?

しかし、それは固定に変えた時から、金利タイプの変更時に市場レートが下がった時だけです。

市場レートが同じなら?金利差はゼロ%ですから、上記までのプロセスで手数料を計算してもゼロになります。でしょ?

このために、長々と説明したようなものです。

ですから、変動金利から一瞬だけ固定金利に変更し、市場レートが変動する前に変動金利に変更すれば、理論上はゼロ円で変動から変動への金利タイプ変更が実行できるということです。

以下の3つがポイントになります。

  • ①金利タイプを変更出来るのは1日1回まで。 
  • ②月末に金利変更した場合は翌月の金利が適用される。
  • ③ネットで「金利変更手続した時点の」市場レート(ベースレート)で融資手数料が計算される。

深夜23時55分に変動から固定に変更し0時を過ぎたらすぐに固定から変動に変更する

インターネットで24時間いつでも手続きできますが、変更できるのは1日1回までで、一度変更したら「待った今のナシ!」は通用しません。

【住宅ローン】 借り入れ後の金利タイプの変更はどのようにしたらいいで... 

ですから、深夜23時59分59秒までに金利タイプを変更すれば、一秒後の24時には再度金利変更できる状態になっているということです。

変更手続きのタイミングで変更手数料が計算されますので、まず固定に変更したタイミングのベースレートが基準になります。

※金利タイプ変更手数料は、金利タイプ変更のお手続きと同時にお客さまの円普通預金口座から自動引き落としさせていただきます。

金利タイプ変更手数料|住宅ローン|MONEYKit - ソニー銀行

つまり、変更手続きのリアルタイムでベースレートを参照して手数料を計算しているのです。

ですから、次に固定から変動に変更するときのベースレートがこれより下がっていると手数料が発生します。

どのタイミングでソニー銀行が「ベースレート」に反映させているのか?電話では答えてもらえませんでしたが、日付が変わればベースレートも変わるかも?とは言われていました。

ですので、

日次ベースで金利が大きく変動している時期は避けた方が良いでしょう。

金利の推移については、こちらをどうぞ。日次での各年物の新発国債利回りはインターネットで公表されています。

国債金利情報 : 財務省

日本 10年 | 日本 10年 債券利回り

結構小刻みに上がったり下がったりしていますよね? 

金利タイプ変更手数料は常に変動しておりネットでリアルタイムに確認できる

固定金利に変更したときの市場レートよりも下がっている時に変動金利に戻すと手数料を取られてしまいます。

市場レートが変わる前、ないしソニー銀行のベースレートに変更が反映される前に固定から変動に戻せば手数料ゼロ円で優遇幅を増やすことが出来ます。

このように推移していた場合ですね。ベースレートは同じですから、手数料はゼロ円になります。

f:id:sennich:20170108194450p:image

もしも、固定金利から変動金利に戻そうとしたときに手数料がかかる状態(ベースレートが下がってしまった)になってしまったら?

つまりこのような推移だった場合です。固定に変更した時よりベースレートが下がってますから、手数料が発生します。

f:id:sennich:20170108194457p:image 

上記のように市場レートは小刻みに上がったり下がったりしていますので、変動から固定に変えた時よりも市場レートが上がったタイミングを狙えば手数料ゼロ円で固定から変動に戻せます。

金利タイプの変更手数料は常に変動しており、ネットでリアルタイムに確認できる仕様になっています。

お借り入れ後、PCサイトで「金利タイプ変更」の操作時に金利タイプ変更後の試算をご確認いただけます。
金利タイプ変更手数料も表示されます。

【住宅ローン】 金利タイプ変更のシミュレーションや金利タイプ変更手数...

 

月末以降に変動に戻せば翌月の金利が適用される

金利の適用は変更手続きの日またはその翌日に適用されるとなっています。これはどういうことかご説明しておきましょう。

【住宅ローン】 (借り入れ後に)金利タイプの変更はできますか?

原則としてネットで金利タイプ変更手続きが完了したらその日からその金利タイプになります。

ただし、例外として月末に金利タイプを変更すると、翌月から新たな金利タイプになるということです。

ソニー銀行は、月の半ばに翌月の適用金利が発表されますので、月末の一日前の23時59分59秒までに変動から固定に変更して、日付が変わってから固定から変動に変更すると、翌月の金利が適用されるということです。

 

固定金利は念のため最も短い期間(2年)にしておく

固定金利は一瞬ですから、何年でもいいと書いているサイトもありますけど、市場レートは分単位で変動しています。

金利タイプを固定から変動に戻すときに手数料が発生し、そうこうしているうちに戻すタイミングを逸してしまう可能性もあります。

損切りして手数料を払って変動に戻すときに、その費用は小さい方が良いですよね。ですので、固定金利は最短の2年にしておきましょう。

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まとめ~なかなか美味い話は無いようです

いかがでしたでしょうか。ソニー銀行については、「千日の住宅ローン無料相談.com」の方で、金利タイプに関してご相談を受けまして、それきっかけで興味を持ちました。

中期的な金利の動向を読んで先手を打つ?

他にも裏技はあります。中期的な金利動向を読んで逆張りする方法です。

借入当初よりも市場レートが上がっている時に固定金利から敢えて変動金利に変更し、その後、金利が下がったのを見計らって変動金利から固定金利に変更します。

  • ベースレートは上がってますから、手数料はゼロ円になります。
  • 変動から固定への変更には手数料がかかりません。

しかし、金利が上がっている時にどこまで上がるか?いつまで上がるか?予測出来ます?
下がったとしても、当初借入時よりも下がらないと、初めからそのまま固定にしておいた方が得だったということになります。

なかなか面白い仕組みだと思いますが、ちょっと難しいでしょうね。

千日の住宅ローン無料相談.com関連相談ケース

以上、千日のブログでした。

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