文系理系にかかわらず学生時代に取っておくべき資格
どうも千日です。就活に有利な資格としては必ず3位以内にランクインする簿記です。何だったら英語とともに義務教育に入れても良いんじゃないかと思うくらいです。
今日は、何で簿記がそんなに『有利』と言われるのか?その疑問に分かりやすく答えます。
他にも英語(TOEIC)とか運転免許、宅建なども就職活動に有利と言われますけど、簿記はこれらとは別次元です。
簿記が必要なのは経理志望の人だけだと思っているならば、認識を改める必要がありますよ。
簿記とはビジネスの世界共通の言語です
ビジネスの世界での公用語は英語だと言われますね。実は簿記もそうです。
簿記とは会社の決算書(貸借対照表と損益計算書)を作る為の記録方法と計算手法です。この方法は世界に共通なんですよ、各国の法律によって差異はありますが根本は同じです。
例えるならジャンケンです。グー・チョキ・パーの呼び名は各国違いますけど、やり方やルールは同じだから言葉が通じなくてもジャンケンは出来ます。
簿記の仕訳
簿記において、取引を記録することを『仕訳』(しわけ)と言います。簡単な仕訳のルールを、さわりだけご紹介しましょう。
貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)とは財政状態を表す書類です。
- 左に資産=現金や債権や備品の一覧
- 右に負債=借金や義務の一覧
- 差額としての純資産
- 左に費用=経費など純資産を減らす事の発生の一覧
- 右に収益=売上など純資産を増やす事の実現の一覧
仕訳の目的はこの貸借対照表と損益計算書を作ることです。
仕訳を使って貸借対照表の資産、負債及び純資産並びに損益計算書の費用及び収益を増減させるんです。
仕訳のルール
金額の増加と減少は左と右で表現します。左は借方(かりかた)、右は貸方(かしかた)と呼ばれます。
- 借方項目を増やすなら借方に
- 貸方項目を増やすなら貸方に
- 借方項目を減らすなら貸方に
- 貸方項目を減らすなら借方に
増やしたければ同じ方向に記帳し、減らしたければ、逆方向に記帳するんです。ちょっとやって見せますね。
現金5百万円で会社を作ったところからスタートとします。その後『3百万円の車両を購入し代金は翌月払う。』は次のような形になります。
(車両)3,000,000円 /(未払金)3,000,000円
- 未払ということは負債
- 負債は貸借対照表の貸方項目
- 未払金を増やすのは貸方
- 車両は資産
- 資産は貸借対照表の借方項目
- 車両を増やすのは借方
こんな感じです。このルールは世界共通なんですよ。例えば上記の仕訳は英語圏ならば下記のように表されます。
(Vehicles)3,000,000JPN /(Accounts payable)3,000,000JPN
かっこの中の勘定科目が英語になっただけですね。
ビジネスのルールの基礎
もちろん『モノを売れば儲かる』そんなルールは誰でも知ってますが、更にそれを熟知する為の入り口が簿記です。
良くテレビなどでお金持ちを紹介する時に『年商○億の会社を経営している』なんて言い方をしますけど、年商とは年間の売上高を言います。
そこから費用を差引いたのが利益ですから、売上が幾ら多くても赤字の場合もあるんです。『それだけ手広くやってますよ』ということではありますが、儲かっているかどうかは年商だけでは分かりません。
簿記を理解していれば、自然とそのような見方が身に付きます。
ビジネスで失敗しない為の基礎
ビジネスを勝ち負けで捉えるなら、そのルールを知ってなければなりません。
ボンクラという言葉がありますがその語源は仁俠道なんですよ。つまり『盆暗』。盆とは丁半博打の場のことで、そこのルールを知らない=暗い、新入りを指してボンクラと呼んだのが起こりだそうです。
ですから、新人社員はある意味例外なく、ボンクラなんです。
そしてボンクラは新入社員だけじゃありません。
日商簿記3級は、簿記の入門です。『3級なんて』などと言われることがありますが、そんな3級のテキストに載ってる内部統制の仕組みを『知らない』又は『軽視』して窮地に追いやられる熟練の経営者も多いです。
例えば定額資金前渡制度(インプレスト・システム)と言う、簿記3級の学習範囲があります。これは現金を扱う『用途係』と記帳を行う『会計係』を別々の人に行わせる、横領を防止する内部統制の基礎です。
世にある不正や横領は、この通りにやれば防止できた類の単純な手口がほとんどです。ルールを『知らない』という事はそれ自体が罪だと千日は思いますよ。
こういった基礎を知らない人は、意外に実務で経験を積んだ人でもたまに見かけます。そして足もとをすくわれる。キツい言い方かも知れませんが、なるべくしてなったということになります。
簿記を学習することの意義
簿記の資格を取る意義は何も就職活動の時に履歴書に書けるから、ということだけじゃありません。
ビジネスの基礎、失敗しない最低限のルール(たしなみ)を身に付けるのが、簿記を身に付ける本当の意義です。
英語や運転免許は仕事で使わなければ、それを発揮する場はありません。しかし簿記はビジネスの世界に身を置くならば、どこに行ってもけして無駄にはならない知識です。
ただ検定試験の対策となると、練習問題を反復したり、電卓でひたすら金額を足し算したりというトレーニングになります。
仕訳のルールが身に付かず、暗記で乗り切ってしまう人もいるでしょう。
机上の学習だけでは本当の意味では身に付かないのが簿記です。実際にビジネスの場に身を置き、そこでの様々な経験を経る必要があります。
しかし就職して社会人になってからは、覚えなければいけないことが山積みですし、毎日遅くまで仕事に追われます。なかなか勉強出来ないものです。
まとめ
人事担当者としては、その学生がどんな適性があるかなんて分かりません。しかし、こんな学生が居たら即採用したいでしょうね。
- ビジネスの基礎と常識を理論的に身に付けている
つまり、簿記の資格は『ビジネスの常識を知っている』という事を分かりやすくアピール出来る資格なんです。
以上、千日のブログでした。
千日のブログでは、めっちゃ役に立つ話、まあ役に立つ話、役に立たない話、色々と取り揃えています。
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