千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える

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auじぶん銀行とPayPay銀行の住宅ローンを徹底比較!見た目の金利だけで選ぶと失敗します

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どうも千日です。住宅ローンの低金利競争でトップを争うauじぶん銀行とPayPay銀行はどちらがトクなのか?詳細に比較してみました。それぞれの銀行ホームページでは自行にとって都合の良いメリットだけ強調されています。この記事では完全並列に横ぐしで比較します。

住宅ローンは最長35年の長期にわたる契約です。現在の適用金利でどちらが低いかだけでなく、利用者目線で注目すべき切り口から詳細に比較します。

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変動金利と10年固定の適用金利を比較

両行が目玉商品としている変動金利と10年固定の適用金利を比較しましょう。

 

auじぶん銀行

PayPay銀行

変動金利

HPご確認%(全期間引下げプラン)

0.38%

0.31%(全期間引き下げプラン/au金利優遇割★)

10年固定

HPご確認%(当初期間引下げプラン)

0.499%

0.395%(当初期間引下げプラン/au金利優遇割★)

★「au金利優遇割」はauじぶん銀行の住宅ローンと「au回線」と「じぶんでんき」をセットで利用すると住宅ローン適用金利から最大0.1%引下げとなります。審査の結果によっては上表の金利プランを利用できない場合もあります。

この「au金利優遇割」が適用できるか否かによって低い方の銀行を選ぶというのは早計です。特に変動金利では、適用金利が上昇したときに毎月返済額にどう影響してくるかに大きな差異があります。

また10年固定金利については、11年目からの適用金利がどうなるか?についても吟味してください。両行とも適用金利は基準金利からの引下げ幅によって計算するルールとなっていますが、当初期間後の引下げ幅の設定が大きく異なることによって11年目以降の適用金利に大きな差が生じるのです。

変動金利の5年ルールと125%ルールを比較

変動金利のリスクは金利上昇時に毎月返済額がどのように増加するか、すなわち「5年ルール」と「125%ルール」の適用で異なるのです。この有無を比較しました。

元利均等返済方式

auじぶん銀行

5年ルールと125%ルールの適用あり

PayPay銀行

5年ルールと125%ルールの適用なし

元利均等返済額の据え置き期間(5年ルール)

10月1日の基準日から5年間は借入金利に変更があった場合も返済額は一定のまま、その内訳である元金と利息の金額が各々変更となります。以降5年ごとに返済額の見直しを行います(5年ルール)。

5年ルールの適用はありません。

元利均等返済額の上限(125%ルール)

借入金利が上昇し返済額が増額となった場合でも、それまでの返済額の125%を超えることはありません(125%ルール)。

125%ルールの適用はありません。

「5年ルール」と「125%ルール」の適用があると、5年間は毎月の支払額が従前のままとなり、6年目から増額となる場合も125%の上限が設けられるため、資金繰りの面で安全です。

この適用が無い場合は、金利が上昇したらタイムラグなく利息支払額に反映されるため、金利上昇リスクが資金繰りのリスクに直結することになります。

その一方で金利上昇が元本の減少ペースに与える影響は少ないので、「5年ルール」と「125%ルール」の適用時に特有の元本滞留リスクは抑えられます。

そのため、auじぶん銀行とPayPay銀行の変動金利のどちらを選択すべきか?については「資金繰りの余裕度」と「家の売却可能性」によって違ってきます。

どちらを選択するか?のポイント

auじぶん銀行

5年ルールと125%ルールの適用あり

PayPay銀行

5年ルールと125%ルールの適用なし

資金繰りの余裕度

金利上昇時に毎月返済額が増えると家計に影響するので資金繰りの安全性を優先したい人。

毎月返済額にかなりの余裕があり、金利上昇時に返済額の増加が家計に影響しない人。

家の売却可能性(金融資産か生活基盤か)

5年ルールが適用されている間に家を売却し、期限前に完済することも想定している人(家を金融資産的に捉えて売る可能性も想定する)。

金利が上昇した場合にも着実に元本を返済していき、総返済期間で利息の負担を減らしたい人(家を生活の基盤として売らない前提に立つ)。

10年固定金利の金利引き下げ幅を比較

両行の11年目からの基準金利と金利引き下げ幅を比較しました。基準金利はいわば住宅ローンの定価のような位置付けであり、引下げ幅は定価からの値引きのような位置付けです。

基準金利はその時の金融情勢によってどのような水準になるか決まっていないので、下表では現時点の基準金利を採用しています。

当初期間引下げプラン

auじぶん銀行

PayPay銀行

当初10年間

基準金利2.480%

引下げ幅-1.985%

基準金利2.399%

引下げ幅-1.900%

適用金利HPご確認%

適用金利0.499%

11年目以降は変動金利を選択したと仮定する

基準金利2.341%(変動金利)

引下げ幅-0.800%

基準金利2.280%(変動金利)

引下げ幅-1.400%

適用金利1.541%

適用金利0.880%

※審査の結果によっては上表の金利プランを利用できない場合もあります。

当初10年間については、わずかにauじぶん銀行の適用金利が低くなっていますが有意な差とまでは言えません。11年目以降の引下げ幅はPayPya銀行の方が0.6%も大きくなっており、その結果計算される適用金利は引下げ幅の差と同じくらい低くなっています。

10年後の基準金利がどうなるかは予想できませんが、引下げ幅は既定のものです。各行の基準金利が今と同じく銀行間でそれほど大きな差が無かったとすれば、11年目以降の適用金利の面ではPayPay銀行の方が低金利となる可能性が高いと言えそうです。

このことからauじぶん銀行とPayPay銀行の10年固定金利のどちらを選択すべきか?については「10年後に住宅ローンをどうするか?」と「家の売却可能性」によって違ってくると考えています。これを分かりやすく整理したのが下表です。

どちらを選択するか?のポイント

auじぶん銀行

11年目以降の引下げ幅が0.8%と低い。

PayPay銀行

11年目以降の引下げ幅が1.4%と高い。

10年後に住宅ローンをどうするか?

10年後に定年退職で住宅ローンを完済する予定の人や、10年(13年)の住宅ローン控除を目的に借りており、10年(13年)で完済する予定の人。

当初10年で完済する可能性も想定しているが、その時の状況によっては11年目以降も返済を継続する可能性も残しておきたい人。

家の売却可能性(金融資産か生活基盤か)

10年の間に住み替えることによって住宅ローンを完済する可能性が高い人(家を金融資産的に売ることを想定する人)。

10年の間に住み替える可能性が高いが、そのまま住み続ける可能性も残しておきたい人(家を生活基盤と考え売らない人)。

無料団信など他のメリットを比較

次はauじぶん銀行とPayPay銀行の住宅ローンで金利上乗せなしで付帯する団信を比較してみました。適用金利が同程度であり、「資金繰りの安全度」や「当初期間後の計画」、「家の売却可能性」などの本質的な切り口で決定的な差が生まれなかった場合には、こうした付帯サービスで決めるという考え方もあると思います。

 

auじぶん銀行

がん50%保障団信

PayPay銀行

がん50%保障団信

死亡と高度障害

余命6か月以内

がんと診断

全ての傷病で180日以上入院継続

×

【月次返済保障】

全ての傷病で入院が連続31日以上になった場合

×

◎住宅ローン残高の100%の保険金が支払われます。
〇住宅ローン残高の50%の保険金が支払われます。
■毎月の住宅ローン返済額が保険金として支払われます。
×保障されません。

*1がんと診断された場合は、就業不能状態であることを保障条件としません。
*2 全ての傷病とは、精神障害を除きます。
*3 入院継続について、最初の31日は連続した入院である必要があります。
*4 給付金のお支払いにはそれぞれ支払回数に上限があります。
*5 同一被保険者につき1口のみ加入できます。

65歳未満の入院期間が1年の長期になることはまれ

疾病保障を比較する際に、注意すべきポイントは2つです。

  • 病気にかかるのも、入院が長期化するのも、「高齢者」に多い。ただし、自分が高齢者(65歳超)になった時には住宅ローンは残っていない(はず)なので団信の疾病保障の恩恵は無い。
  • 最近の医療の進歩によって長期に入院することは無くなってきている。

ガンでの入院期間を年齢別に比較(単位:千人)

期間 1年内 1年超
総数 126 3.5
65歳以上 91.1 3.1
65歳未満 34.9 0.4

2014年10月時点の推計入院患者数を入院期間、性別、年齢階級、傷病大分類別に集計したデータで一般に公表されているものです。このデータを加工すると、上記の保障対象人数が推計できます。

厚生労働省では、少子高齢化による保険料の収入減に対応するため入院患者を減らして、通院による治療にシフトさせていこうとしています。多くの病気は入院するまでもなく、通院治療になっていくでしょう。そして、入院してもできるだけ早く退院させられるようになっていきます。

特にガンに関して比較すると、65歳未満で1年超も入院することはほとんどありません。

夫婦の片方が、専業主婦(夫)であったりパート収入しかない場合、住宅ローン残高が50%になったところで、返済を継続することは困難です。保険の対象になっても、家を手離放さなければならなくなるのなら、意味が無いですよね。

しかし、夫婦の収入がほぼ同じくらいで定年まで働く場合は、auじぶん銀行とPayPay銀行の「ガン50%団信」のメリットが際立つでしょう。

長期にわたる住宅ローンの選択では、コストだけでは割り切れない、リスクへの保障という面も重要です。

auユーザならキャッシュバックもある

じぶん銀行はネット銀行ですから、他社携帯でも利用できます。そしてさらにauユーザーならキャッシュバックがあります。auのユーザーが住宅ローンを提携しているじぶん銀行で借りると60ヶ月(5年)にわたり月500円のキャッシュバックがあります。これはauウォレット(au WALLET)という電子マネーです。

電子マネーのau WALLETとは

auウォレットとはauが独自に提供する決済サービスで、あらかじめチャージをしておき、その範囲内で利用ができる電子マネーです。

電子マネーですので、使える場面は限られるか…と思いきや、全国のコンビニやスーパーで使えます。これはなぜかというと、決済システムにマスターカードのシステムを使ってるからです。発行手数料なし年会費無料、クレジットカードではないので審査も不要です。

auWALLETを使用すると200円ごとに1ポイントが貯まるようになっているのですが、auの通信料だと1,000円毎10ポイントが貯まるシステムになっています。ただしポイントには有効期限があるので、無駄にしないように注意が必要です。

こういうポイントって結構忘れて無効にしてしまうんですよね(⌒-⌒; )

▼auじぶん銀行の住宅ローン

融資を本業視していないからこその低金利

auじぶん銀行は2008年に三菱UFJ銀行とKDDIが半分ずつ共同出資して設立したネット銀行、そしてPayPay銀行の出資割合はZフィナンシャル株式会社(Yahoo!グループ)と三井住友銀行が約半分ずつとなっています。

名前は軽いイメージがありますが、どちらもそのバックにメガバンクの出資が入っています。そして逆説的ですが、融資を本業視していないからこそ低金利の商品を安定して続けられているという状況にあるのです。

各ネット銀行の収益の要が融資による利息収入というよりは通信・決済サービスの手数料収入にあります。低金利によって地方の金融を担う地銀の業績悪化が懸念されていますが、auじぶん銀行やPayPay銀行については低金利の住宅ローンで利用者を取り込むことで、それぞれの親会社が主力とする通信サービスや電子マネーのシェア拡大につなげようとしているのです。

特にIT通信業界はコロナ環境にあって勝ち組であり、今後も安定して低金利の住宅ローンを提供しようとするインセンティブに加え財務的な安定性も備わっていると思います。

以上、千日のブログでした。

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