本を選ぶということ
どうも千日です。今日ははてなブログの今週のお題「人生に影響を与えた1冊」について書いてみたいと思います。
書籍を選ぶとき、最近はネットのランキングサイトなんかを参考に選ぶ人も増えていると聞きます。
実用書であれば口コミは重要ですし、小説であればその作家の作風やなんかを事前に入手しておくことで、失敗のない読書経験を得られるからですね。
しかし、本には、ただ選ばれるだけではない、凄いポテンシャルがある。というのが千日が今回話したいことです。
きっかけは、とげまるさんのこの記事でした。
あなたの人生は何で出来ている?
問いは哲学的ですけど、分かりやすい話です。
例えば、私の身体は父と母と今まで食べてきた物で出来ています。それ以外のものは、知らないうちに宇宙人にさらわれでもしていない限り、私の中には入っていません。
従って、私たちの今までの人生は、今まで出会った人と自分の選択で出来ているんです。
本は、自分の選択にだけ影響を与える人のような存在です。
書籍は言うまでもなく紙とインクで出来ていますが、それで完成はしません。人生の無い人間がいないのと同じです。書籍の人生はあなたと出会い、あなたの選択に影響することで完成するんです。
登山家 野口健を創った一冊
登山家の野口健氏をご存知でしょうか?高校から登山を始め、2005年に25歳でチョモランマに登頂して、当時の七大陸最高峰登頂の最年少記録を樹立した日本人アルピニストとして有名です。
また、近年ではエベレストや富士山の清掃活動などで環境問題に取り組んでいて、その活動の幅は登山だけにとどまりません。
野口氏が高校から登山を始めたきっかけは、暴力事件を起こして高校を停学になり、街をふらふらしていたときに書店でふと目にした植村直巳著の『青春を山に賭けて』という本だったそうです。
本があなたを選ぶ
野口氏はその時のことをこのように語っています。
最初、ちらっと本が見えたんですよね。で何か気になったんですけど手には取らずにまたぐる~っと店の中を回って、店を出ようかなと思ったとき、またなぜかその本のところにいったんですよね。そして、手にとりました。
外交官を父に持つ金持ちのドラ息子が登山家 野口健への道を歩み始める前の話です。
本にはこれだけのポテンシャルがあるという一つの例です。
優れた作家が書きあげる小説や文章、長く時間の試練に耐えて残った名作にはそれだけの力があるんだというような話はよく聞く話ですが、千日の考えは少し違います。
どんな本にも、大小の差はあれ…
- 本が人を選び
- その人に影響を与える
そんな力があると思っています。少しオカルトチックですかね(笑)。そして、その力は既に著者のコントロール外にある魔法のような力です。
- 本がどんな人を選ぶか
- 人の選択にどんな影響を与えるか
もちろん著者がこんな人に読んでほしいとか、こんな風に感じて欲しいといった想いをもって執筆することがあるかもしれませんが、いかな天才であってもこれをコントロールすることは出来ないんですよね。
本との出会い、人との出会い、新たな人生との出会い
何気なく取ったその一冊は、あなたの選択を巧みに操り、新しい人生に導くかもしれません。良い出会いをするためにどうすればいいか…?
私たちは本との出会いをコントロールすることはできませんが『ちゃんと読む』くらいでしょうか。その辺りは人との出会いも、本との出会いも同じではないでしょうか。
読書は、一人のようで一人ではない。本を書いている人との二人の時間である。(斎藤孝 『読書力』より引用)
以上、千日のブログでした。
《あとがき》
そんなことが出来るのは一昔前は本だけでした。
(この時点で賢明な読者様なら千日の落しどころが見えてきたのではないでしょうか?)
あなたのブログもまた、どこかでそんな力を発揮しているかもしれません。だって、紙とインクが無いだけでインターネットが無かった頃の本の機能とさして変わらないですもんね。
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