アサヒビール西宮工場跡地は居住誘導区域になるか?
どうも千日です。今日は特集『主婦の住みたい街Best3西宮市の再開発とその恩恵を受ける地区、受けない地区』です。先週アップした記事で国土交通省の立地適正化計画について触れました。
少子高齢化で先細りする税収で増大する高齢者の医療費をまかない切れないことはすでに見えている未来です。
立地適正化計画は医療費コストを下げるために膨張した都市の居住地域をコンパクトにまとめる計画です。
具体的には住民を緩やかに居住誘導地域に誘導していき、その地域に医療や福祉を集中しようという計画です。今後の再開発地区が居住誘導地域に密接に関わってきます。
- アサヒビール西宮工場跡地は居住誘導区域になるか?
主婦の住みたい街全国3位の西宮市も立地最適化計画の策定中です
平成27年3月31日現在で全国175の市町村がこの取組を行っていて、西宮市もその一つです。
さらに西宮市は平成26年11月にアサヒビール西宮工場跡地まちづくりガイドラインを公表しています。工場跡地の再開発が立地最適化計画にどう絡んで来るかも注目されます。
西宮市は主婦の住みたい街ランキングで全国3位、関西では1位の人気都市です。関西でマイホームを検討される方なら1度は候補に挙がる都市ですね。
- Ⅰ. 西宮市のアサヒビール工事跡地の再開発とは
- Ⅱ. 再開発で資産価値に恩恵のある地区、変化の無い地区
では始めますね。
Ⅰ.西宮市のアサヒビール工場跡地の再開発とは
①国道2号線の歩道橋より撮影した広大な工場跡地
アサヒビール西宮工場跡地(兵庫県西宮市津門大塚町)は西宮市の南部市街地の中心部に位置する約10ヘクタールの広大な更地です。
市街地の中心部、しかも国道沿いに突如現れる広大な更地です
10ヘクタールといえば東京ドーム(4.7ヘクタール)が2個スッポリ入る広さです。町まるまる一つ分といって差し支えない広さでしょう。
②周辺の環境、交通の便は?
アサヒビール西宮工場跡地まちづくりガイドラインの図より
地図の右手(東側)の赤で塗りつぶしになっているエリアです。
- 南を国道2号線が走り
- 北をJR神戸線(東海道本線)が走り
- 西を阪急今津線が走り
- 東を名神高速道路が走る
図の黄色い丸は駅です。
土地の南西部に阪急今津線の阪神国道駅があります。
阪神国道駅は小さな駅ですが、北の阪急西宮北口駅と南の阪神今津駅の中間位置する駅で、この駅から関西を代表する二つの私鉄にアクセス可能という稀有なポジションです。
加えて西600メートルの徒歩圏内にJR西宮駅(急行停車駅)があります。
さらに名神高速道路の西宮ICは1.2km南にあります。
交通の便という点では極めて恵まれたエリアでしかも10ヘクタールの広大な更地。おそらく今後、西宮市内でこのような開発地域は出ないだろうというのが大方の見方です。
③開発計画の経緯と見通し
これだけの地域ですから西宮市が黙っているわけがありません。
前市長による当初の計画案
10ヘクタールのうち、3.8ヘクタールを西宮市が取得して、老朽化した市立中央病院や体育館、消防署を移転する計画で関連議案が可決されてました。
現職の今村市長による白紙撤回
しかし、その直後の選挙で現職の今村氏(42)が前市長の計画は「時代遅れの無駄使い」であり「民間の資金とアイデアで開発するべき」と主張し、計画の白紙撤回を公約に掲げて当選したのです。
今村市長の軌道修正、そして今
今村市長は当選当初は白紙撤回を強く主張していましたが、既に計画は議会で可決されてましたので議会の反発を受けたようです。
平成27年1月には下記のような状況になっています。
- 市立中央病院と県立西宮病院を統合する候補地として駅前ゾーン2.6ヘクタールを市の外郭団体が購入する
- 病院の統合が2020年3月までにまとまらない場合は土地所有者のアーク不動産株式会社が同額で買い戻す
アーク不動産株式会社とは
- 本社 大阪市
- 設立 平成7年10月
- 資本金 9,000万円
- 不動産再開発事業に力を入れており、関西を中心に多数実績あり。自社ブランドの分譲マンションもある。マンションブランド名はアークレジデンス。戸建はアークシティ。
開発の進捗状況は?
西宮市の外郭団体の購入エリア以外のエリア(北ゾーン、ロードサイドゾーン)から順次、水道管などのインフラ工事が始まっています。
駅前ゾーンの開発については病院の統合について兵庫県と西宮市の話合いがまとまるかどうかがキーとなっている状態ですね。
医療機関をスリム化して交通の便の良い駅前ゾーンに再配置し、周辺の居住誘導区域に住民を誘導する…国交省の立地適正化計画に沿った軌道修正と言えます。
参考 国土交通省のパンフレット
東ゾーンは少子高齢化社会に向けた居住誘導区域として人気の高い地域となるでしょう。恐らく価格にもそれなりの上乗せがあるものと考えられます。
狙い目は地図に載っていない部分のエリアです
地図に載っていない隣接エリアは西宮市の中でも「良くも無ければ悪くもない」中の中エリア。まだ伸びしろがあります。
Ⅱ.再開発で資産価値に恩恵のある地区、変化の無い地区
恩恵を受けるのは阪神国道駅を中心に下記のエリアです。
- 南側500m
- 西側200m
①南側には阪神今津駅がある
元々利便性は悪くない地域です。国道2号線から南へ約1km行くと阪神電鉄の今津駅(急行停車駅)があります。500m以上離れると阪神今津駅の方が近いです。
今津駅前は古くからの下町ですが、スーパーや病院、飲食店などで今も賑わっています。この再開発の影響は軽微でしょう。
②西側にはJR西宮駅がある
約600m西にはJRの西宮駅(急行停車駅)があります。今津駅周辺ほどではないですが、そこそこの賑わいです。どちらかというとJRの急行停車駅というのが強力ですね。
阪神国道駅から梅田や三宮に出るには1度西宮北口で乗換が必要になります。対象地の住民でもあえてJRを利用する人もいるかもしれません。
③この地区の弱点=北側がJRの線路で分断されている
北側はJRの線路で分断されていますし、あるのは深津小学校及び中学校だけです。
今西市長はJRの線路を行き来出来るようにすると発言していますが、線路と小中学校の間の道路は狭く、車がすれ違うのには徐行しなければなりません。
この地域の特徴として南北がJRの線路で分断されていて、行き来する十分な幅員の導線がとても少ないという点があります。
阪急百貨店も入っている人気の大型ショッピングセンター阪急西宮ガーデンズは直線距離では1km位ですが、徒歩で行くならさらに大きく迂回しなければなりません。
もしくは阪神国道駅から電車で一駅乗って西宮北口まで行くかです。
西宮北口のガーデンズは窓からすぐそこに見えるが大きく迂回しないと辿り着けないのが弱点です。
Ⅲ. まとめ
これらをふまえて、恩恵のありそうな地区を町であげていくと以下のようになります。
津門大箇町(つとおおごちょう)
国道2号線を挟んで南側のエリアです。戸建住宅が多いエリアです。今までJR西宮からも阪神今津からも遠かったので、最も伸びしろの大きいエリアと言えます。
津門大塚町(つとおおつかちょう)
阪神国道駅を挟んで西側のエリアです。もとからJR西宮駅への徒歩圏内エリアで人気が高く、マンションが多いです。阪神国道駅から200m位までは恩恵があるでしょう。
津門稲荷町(つといなりちょう)
阪神国道駅の南西エリアです。元々は戸建てが多いエリアでしたが、最近はマンションが建ち始めました。津門大箇町と津門大塚町の中間位の位置づけのエリアです。
マイホームの資産価値を考える方に判断の一助となれば幸いです。但し現時点ではまだ計画を立てる予定段階であることは肝に銘じておいて下さいね。
以上、千日のブログでした。
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